3Mix法とは

 

虫歯が原因で歯が痛む場合、その虫歯は歯の神経に達する程進行していることが少なくありません。この痛みをとるためには、歯の中に入り込んだ細菌を全て除去する必要があるのですが、これまでの虫歯の治療では、細菌を全て取り除くには、細菌に感染してしまった部分を全て削り取る以外に方法がありませんでした。

この際、神経に達してしまうことが多く、痛みを取るためにやむを得ず神経を取るのですが、神経を取ってしまった歯は枯れ木に用に脆くなってしまうため、後々割れてしまったりすることが多くなります。

そこで、歯を削って細菌を取り除くのではなく薬で取り除こう、というのが３Mix法の考え方です。つまり３Mix法とは細菌感染した歯を削る量を最小限にとどめ、残った細菌感染した歯を薬の力で無菌化するという、新しい治療方法です。

神経の近くまで進行している虫歯も、神経から離れた所は削り、神経の近くに残った虫歯に抗菌剤を作用させることで、神経に近い部分の歯を削らずに細菌だけを除去します。

 

3Mix法の手順
＜図１＞	冷たいもの・温かいものがしみる、食事をすると歯が痛いといった場合、虫歯が神経近くまで進行していることが多いです。
＜図２＞	まず、虫歯の細菌によってドロドロに溶かされた部分を削り取ります。ただし、神経に近い部分（図２黄）は削らずに残します。この部分にはまだ細菌が残っています。
＜図３＞	残った虫歯（図３黄）を無菌化するために３Mix（図３青）を塗布し、外から細菌が入り込まないように仮詰（図３灰）をして密封します。この状態で、神経が残せるかどうかの判断をするために、一定期間経過観察します。
＜図４＞	一定期間後、症状が治まったことを確認し、形を整え、必要であれば型採りを行い、金属または樹脂（図４桃）で修復します。

 

 

3Mix法の長所

 

1. 歯を削る量が少なくてすむ。
2. 従来の治療法より、神経を残せる可能性が広がる。
3. 神経を取らなくてすめば、治療期間が短く、また歯の寿命も長くなる。

※３Mix法は適応範囲が限られるため、明らかに神経に達している場合など、症例によっては適応できない場合もあります。